サンドコンパクションパイル工法(締固め工法)の改良原理
サンドコンパクションパイル工法(締固め工法)は、緩い砂や礫の地盤に対して、強制的に材料を地盤中に圧入し締固めることにより、砂粒子間の間隙を密にして、液状化発生を防止する地盤改良工法です。
代表的な工法として、振動式のサンドコンパクションパイル工法(SCP工法)や、振動機を用いずに静的に回転圧入を行うため、市街地での施工が可能な静的締固め砂杭工法(SAVEコンポーザー)、小型の施工機を用いて小口径のロッドから流動化砂をポンプで圧入するため狭隘地や既設構造物直下での施工が可能な砂圧入式締固め工法(SAVE-SP工法)があります。

設計方法
サンドコンパクションパイル工法(締固め工法)の設計方法
基本的な考え方
サンドコンパクションパイル工法で砂質地盤を改良するときの基本的な考え方を示します。改良前の原地盤間隙比をe0とすると、1+e0の体積の地盤に、Δeに相当する砂を圧入して締固めます。このときの置換率asは次式で表されます。

ここに、
- as
- :置換率
- e0
- :原地盤の間隙比
- e1
- :改良後の地盤の間隙比


改良後N値の算定方法(方法D)
砂質系地盤に対するサンドコンパクションパイル工法の地盤改良効果は、通常、標準貫入試験(N値)で示すことが多い。改良後のN値は改良前の原地盤N値(N0)と置換率asに主に支配されますが、その他、原地盤土の粒度分布、土被り圧などにも影響を受けます。特に0.075μm以下の細粒分を多く含む場合、改良効果が小さいので注意を要します。砂質系地盤に対する4つの設計方法の内、近年では最も精度の高い設計方法として方法Dが多く用いられています。以下に方法Dの設計フローを示します。
※詳細な設計方法はSAVEコンポーザーの設計・施工マニュアル(資料請求)を参照ください。

出典:打戻し施工によるサンドコンパクションパイル工法設計・施工マニュアル, (公社)地盤工学会, p.98