深層混合処理工法 CI-CMC工法/CI-CMC-HA工法/CI-CMC-HG工法
CI-CMC工法
CI-CMC工法は、エアーを用いてスラリーを霧状に吐出する「エジェクター吐出」機構の開発により大径かつ高品質な改良体を造成する深層混合処理工法です。周辺変位も大幅に低減でき、市街地や既設構造物近接での施工が可能です。高品質で大量施工を行い、コスト縮減を実現しました。
- ※ CI-CMC工法はNETIS掲載終了した2017年度(平成29年度)からは、土木工事標準積算基準書に【スラリー撹拌工 二軸施工(変位低減型)(杭径φ1,600mm)】として標準積算歩掛が掲載されるようになりました。
CI-CMC-HA工法
CI-CMC工法に「撹拌翼の改良(先端ビット・掘削ビット・エジェクター吐出口)+エアー管理の自動化」をすることで、より硬質な地盤への貫入能力の確保とバラツキの少ない高品質な改良体の造成を可能としました。
- ※CI-CMC-HA工法(NETIS登録番号:QS-160049-VE)
CI-CMC-HG工法
CI-CMC工法の更なる貫入能力の向上のため、CI-CMC工法の約2倍のトルクを有する高トルクインバータモータを採用した超硬質オーガー(地盤改良施工機最大級)と攪拌翼先端からエアー・スラリーを噴射する先端吐出機構の併用によりN値50を超える砂礫地盤等の超硬質地盤への適用を可能としました。
- ※CI-CMC-HG工法(NETIS登録番号:QS-200009-A)
工法開発の経緯
深層混合処理工法は、1970年代にCDM工法(スラリー撹拌工φ1000mm×2軸)、1981年代にはDJM(粉体噴射撹拌工φ1000mm×2軸、および単軸)が開発され、これらの工法が深層混合処理工法の標準的な工法として、数多くの現場に適用されてきました。
そのような中、不動テトラ(旧不動建設)は1996年に大径で高品質の深層混合処理工法としてCI-CMC工法(スラリー撹拌工φ1300mm×2軸)を開発しました。その後、エジェクター吐出方式を採用することで、大径で高品質かつ低変位の工法としてCI-CMC工法(スラリー撹拌工φ1600mm×2軸)が確立しました。
2017年には、硬質地盤に対応した大径・低変位の深層混合処理工法としてCI-CMC-HA工法を開発し、更なる硬質地盤への適用のニーズに応えるべく、2020年には、超硬質地盤に対応した深層混合処理工法のCI-CMC-HG工法を開発実用化しています。
- CI-CMC工法
- 国交省積算基準スラリー撹拌工φ1600×2軸
(変位低減型)に制定 - 大径・低変位の深層混合処理工法
- CI-CMC-HA工法
- NETIS:QS-160049-VE R2準推奨技術
NNTD:1250 - 硬質地盤に適した
大径・低変位の深層混合処理工法
- CI-CMC-HG工法
- NETIS:QS-200009-A
- 超硬質地盤に対応した
深層混合処理工法 - CIの性能そのままに
超硬質地盤に適用拡大

CI-CMC工法シリーズのスペック表
工法名 | CI-CMC | CI-CMC-HA | CI-CMC-HG |
---|---|---|---|
概要 | エジェクター吐出方式を採用する機械撹拌式深層混合処理工法 | ||
― | 撹拌翼の形状および配置等を改善し、 より硬質地盤へ適用が可能 |
高トルクを有する超硬質オーガーと 先端吐出機構を採用することで、 さらなる硬質地盤への適用が可能 |
|
模式図 |
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改良径 | 単軸機:φ1,300 二軸機:φ1,600 |
単軸機:φ1,300 二軸機:φ1,600 |
二軸機:φ1,600 |
適用地盤 の目安 |
砂質土:N値≦35 粘性土:N値≦08 |
砂質土:N値≦50 粘性土:N値≦15 |
砂質土:N値≦70 粘性土:N値≦20 |
適用深度 | 最大50m | 最大50m | 最大43m |
- ※単軸機・・・超小型機~小型機 二軸機・・・標準機~超大型機
- ※適用地盤のN値は、最大N値



効果・用途
- 盛土の安定対策(道路・河川・土地造成など)
- 構造物の沈下・支持力対策(函渠や樋管など)
- タンク基礎への適用(沈下・支持力対策)
- 建築直接基礎(ソイルセメントコラムとして)への適用
- 地盤の液状化対策(格子状改良又はブロック式改良)
工法の特徴
エジェクター吐出方式
撹拌翼吐出口でエアーと固化材液を混合させ、吐出口から広範囲に固化材液を霧状に勢い良く噴射する吐出方法です。吐出時点で広範囲な固化材液の散布が可能であるため均質な撹拌を助け、撹拌効率が向上します。また、エアーが土の流動性を高めるため、撹拌翼の回転負荷が低減し、大径の改良体の造成が可能となります。さらに、改良材投入による土の盛上りが、ほぼ撹拌域だけに生じるため、周囲地盤の変位を大幅に減少させることが可能です。
エジェクターの効果
- 高い改良品質の
施工を実現 - 土の流動性向上による撹拌能率UP
- 優れた貫入能力を実現
- 土の流動性向上による貫入・撹拌負荷低減
- 周辺変位の
大幅な低減を実現 - エアリフト効果による排土機構
- 大径化&高品質&
低変位を実現


従来の吐出方式との比較
従来の吐出方式
- 固化材の分布にムラ
- 回転負荷が大きい

エジェクター吐出方式
- 固化材を均一に散布可能
- 撹拌域の流動化により回転負荷が小さい

高品質な大径杭
エジェクター吐出方式により土の流動性を高め、大径の改良体を造成できます。また、改良域全体に固化材を散布することが可能であり、大径であっても高い撹拌能力を発揮できます。
従来の工法と比較して、バラつきの極めて小さい高品質な改良体が造成されていることがわかります。
また、CI-CMC-HA工法では、エアー量の制御によって、更に品質が向上します。


低変位工法
エアリフト効果により、投入したスラリーに応じて撹拌域の土がスムーズに上昇するため、周辺変位が小さくなる効果があります。
そのため従来の工法と比較して、周辺変位が大幅に低減していることがわかります。


土が移動しやすくなりスムーズに上昇
- 注釈)CI-CMC工法による低変位施工には施工中の撹拌域での流動性の確保が重要であり、独自の指標に基づく、W/Cおよび投入スラリー量の設定が必要です。以下に示す橋台背面の施工事例では、地中変位計から3mの地点で施工を行った条件で、数mmの変位の発生に収まったことが確認されています。
近接施工の事例

排泥利用の事例

施工フロー

施工状況動画
施工単価
CI-CMC工法/CI-CMC-HA工法CI-CMC-HG工法の施工単価算出シミュレーションをご用意しております。
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