サンドコンパクションパイル工法
サンドコンパクションパイル工法(SCP工法)は、振動する中空管を用い、貫入、引抜き、打戻しを繰り返す「打戻し式施工」によって、軟弱地盤中に大径のよく締め固められた砂杭を造成する、地盤改良工法です。
不動テトラ(旧不動建設)は、1956年に日本で初めての地盤改良工法となるサンドコンパクションパイル工法を開発し、その後多くの現場に適用して来ました。

締固めの原理

工法の特徴
- 砂地盤を締固める工法
- 砂地盤に限らず粘性土など様々な地盤に適用可能
- 粘性土地盤の強度増加(砂杭によるせん断強度増加)
- 粘性土地盤の圧密促進(砂杭によるドレーン効果)
- 中詰め材として砂の他に砕石・スラグを使用可能
- 液状化対策工法の中でも確実性・経済性に優れる
- 数々の地震で改良効果が確認されている
効果・用途
- 砂地盤の締固めによる液状化対策(N値up)
- 粘性土地盤のせん断強度増加(砂杭と粘性土地盤の複合地盤効果)
- 盛土の安定対策や沈下対策(道路・河川・土地造成など)
- 圧密沈下促進(砂杭によるドレーン効果)
- 構造物の支持力対策
実績および効果の実証
サンドコンパクションパイル工法は1956年に開発されて以来、我が国で最も多く使われる地盤改良工法の一つであり、世界各地で採用された実績はパイル延長38万km以上にもなります。また、東北地方太平洋沖地震では、震災復興対応技術として、陸前高田地区の海岸復旧工事をはじめ東北地区の海岸堤防や河川堤防の液状化対策に数多く適用されています。
代表的な施工実績
- 神戸空港
- 東京国際空港
- 川越火力発電所
- 中部電力碧南火力発電所
- 東京電力常陸那珂火力発電所
- 東邦ガス知多緑浜工場
- 長崎県庁舎行政棟
- 津松阪港三雲地区(鵲)護岸 など
施工フロー
- ケーシングパイプを所定位置に据える
- バイブロハンマを起動しケーシングパイプを地中に貫入する
- 所定深度に達すると、ケーシングパイプ内に一定量の砂を投入する
- ケーシングパイプを規定の高さに引き上げながら、圧縮空気を使用し、ケーシングパイプ内の砂を排出する
- ケーシングパイプを打戻し、排出した砂柱を締固める
- 04~05を繰返し、所定の深さまで砂杭を造成する

施工状況動画
設計方法
基本的な考え方
サンドコンパクションパイル工法で砂質地盤を改良するときの基本的な考え方を示します。改良前の原地盤間隙比をe0とすると、1+e0の体積の地盤に、Δeに相当する砂を圧入して締固めます。このときの置換率asは次式で表されます。

- as
- :置換率
- e0
- :原地盤の間隙比
- e1
- :改良後の地盤の間隙比


改良後N値の算定方法(方法D)
砂質系地盤に対するサンドコンパクションパイル工法の地盤改良効果は、通常、標準貫入試験(N値)で示すことが多い。改良後のN値は改良前の原地盤N値(N0)と置換率asに主に支配されますが、その他、原地盤土の粒度分布、土被り圧などにも影響を受けます。特に0.075μm以下の細粒分を多く含む場合、改良効果が小さいので注意を要します。砂質系地盤に対する4つの設計方法の内、近年では最も精度の高い設計方法として方法Dが多く用いられています。以下に方法Dの設計フローを示します。
- ※ 詳細な設計方法はSAVEコンポーザーの設計・施工マニュアル(資料請求)を参照ください。

参考:打戻し施工によるサンドコンパクションパイル工法設計・施工マニュアル, (社)地盤工学会, p.98
改良効果試算
入力条件
改良前の地盤条件
(土被り圧)
改良条件
※改良ピッチは1.2~2.5mの範囲で入力してください
改良効果
施工単価
サンドコンパクションパイル工法の施工単価算出シミュレーションをご用意しております。
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